マフラーと排出ガス規制

深刻な地球温暖化問題

最近でも、アラスカの永久凍土が溶け出して、沈下や地滑りが発生しているといったニュースを耳にしました。
地球温暖化問題はかなり深刻で、国際社会全体で取り組んでいますが、なかなか足並みがそろわないのが現実です。
日本では、2050年までに、カーボンニュートラルを含め、二酸化炭素排出実質ゼロを表明しています。

近年、年を追うごとに厳しくなっている排出ガス規制も、その背景には深刻な地球温暖化問題があるわけです。
2030年半ばまでに、すべての車をEV化するという指針表明も、その取り組みの中の一つなんです。
また、東京都の小池百合子知事も、バイクも同様に規制すべきという方針を語っています。

排出ガス規制とは

排出ガス規制とは、化石燃料を使う車両に対し、排出ガスによる有害物質を規制する法律のことです。
名称としては、「自動車排出ガス規制」と名づけられていますが、当然バイクにも適用されています。
もともと、この排出ガス規制は、深刻な大気汚染問題から端を発したものです。
大気汚染は、車や機関車などの発明により、深刻化していきました。

当初は、自動車の排ガスがもたらす結果についてよく考えず、さらに事態は深刻化していきます。
しかし、大気汚染の調査が進み、深刻化した状況で、ようやく車メーカーも重い腰を上げざるをえなくなりました。
日本でも、年々排ガス規制が厳しくなり、往年の名車が次々と生産終了となっていく事態となっています。

排ガス規制は環境問題の改善策

排ガスに含まれる有害物質は、黒煙/窒素酸化物/硫黄化合物/一酸化炭素/炭化水素/浮遊粒子状物質/PM2.5/ディーゼル排気微粒子などです。
このうち窒素酸化物は、一酸化窒素と二酸化窒素で、通称NOx(ノックス)といいます。
ここで頭のよい方は、二酸化炭素出してないから、地球温暖化に関係ないじゃない、と言われそうですが実はそうではありません。

窒素酸化物の多くは一酸化窒素なのですが、これが酸素やオゾン層と反応することで二酸化窒素となります。
そして、これが酸性雨の原因ともなっています。このように、排ガス規制を行うのは、大気汚染だけでなく、地球温暖化にも影響を与えます。
なお、排ガス規制の対象は、バイクの認識によって異なります。

社外マフラーは証明書が必要

最近の排ガス規制はかなり厳しく、ここ数年前からマフラーにフイルターを、装着したタイプが増えてきました。
これは、キャタライザーと呼ばれる触媒で、炭化水素/一酸化炭素/窒素酸化物などの有害物質を、浄化してくれる装置です。
新車購入時に、このような触媒が装着されているマフラーの場合、普通のマフラーと交換してしまうと車検に通らないことがあります。

ただし、マフラーの中には、排ガス規制適合タイプもあります。
このような社外マフラーであれば、証明書が付いており、車検でも問題なく通りますのでご安心ください。
なお、検査されるのは、排出ガス規制がかかった後のバイクのみで、旧車はこうした検査はありません。