マフラーは排ガスの排出効率を高めるためのパーツです。こちらでは、マフラーについてもう少し踏み込んだところまで解説します。
マフラーの構造
構造はざっくり分けると3つのパーツをつなげたものです。バイクに近い方からフランジ、エキゾーストパイプ(エキパイ)、サイレンサーと呼ばれています。
フランジは、エンジンと接続する部分です。排ガスをすべてマフラーへ送り込むため、排気漏れを防ぐための工夫が施されています。フランジに振動吸収のためのスプリングを入れているメーカーもあります。
エキゾーストパイプ(エキパイ)は排ガスを通過させる中間のパイプです。フランジからエキパイに至るまでの形状が性能を左右するとも言われており、特にエキパイはメーカーによって様々な形状のモデルが販売されています。ざっくりとした説明になりますが、エキパイが細めであれば低中回転域、太めであれば高回転域重を重視していることが多いですね。エキパイだけでもこの10倍は語れてしまうほど重要なパーツですが、今は辞めておきましょう。
最後はサイレンサーです。排ガスを外に排出する機能を持っています。ここも形状はさまざまで、エンジン性能を引き出すようシンプルに作られていることもあれば、「サイレンサー」としての遮音性を重視して構成されているモデルもあります。
形状は出力に関わる
マフラーにはさまざまな形状がありますよね。あれはデザイン性ばかりを優先しているわけではありません。排気効率を高めるために、各メーカーは試行錯誤を繰り返しています。
マフラーの性能は、排気ポートから集合部以前のパイプで決まるといわれている。だからマフラーとは排出された圧力波を最大限に活かすべく、エキゾーストパイプの長さや径、さらには径を途中で変化させたり(コニカルヘッダー)、エキゾーストパイプを途中で連結させるなどの方法を採用することで、出力特性の変化やパワー・トルク向上をねらっているのだ。
同じバイクに取り付けるために作られたマフラーであっても、形状が違えば性能は異なります。一方は高回転域を、他方は低~中回転域を重視した設計になっているとしましょう。そうすればパイプの長さや太さ、集合部分までの長さや角度に当然、違いが現れます。特に集合部分に至るまでの形状は、どのような出力を実現しているかによって大きく異なっているはずです。
マフラーはデザイン性を高めるためにさまざまな形状が生み出されているのではなく、どんな出力を目指しているのかというコンセプトが異なるために形状が異なるのです。